悲しみと称賛

むかしむかし、ある画家がいました。
しかし、誰も彼の絵を評価するものはなく
世に知られることもなく
ひっそりと貧しいその生涯を閉じました。

彼の死後
残された作品が画商の目にとまり
驚くような金額がつけられるようになりました。

彼は
貧しい生涯を悲しんでいたのでしょうか。
あるいは、もう少し長生きしていればと残念に思ったでしょうか。
誰にも認められない境遇を恨んでいたのでしょうか。

同じ時代を生きた誰一人、その価値を理解できず
2百年、3百年後の人々を驚嘆させたとしたら

それは何かを創造していく人々にとっては
まさに、至上の賞賛あるいは最高の栄誉なのです。